この結膜炎、他人にうつりますか?
星空眼科医院、院長の飯田です。
今回は「結膜炎」についてお話ししたいと思います。
目が充血して、朝起きると目やにが出ている。痛みやかゆみもある……。このような症状で眼科を受診される方は少なくありません。
「これって結膜炎だろう」と思っても、忙しくて受診する時間が取れず、市販の目薬で様子を見ている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

その一方で、「何が原因なんだろう?」「結膜炎は人にうつると聞いたことがあるけれど、大丈夫かな?」と心配になることもあると思います。
実は、結膜炎には、人にうつるものとうつらないものがあります。その違いを知るために、まずは結膜炎の種類から見ていきましょう。
結膜炎には、さまざまな原因があります
結膜とは、白目の表面やまぶたの裏側を覆っている薄い膜のことです。この結膜に炎症が起きた状態を「結膜炎」と呼びます。
原因は一つではなく、代表的なものとして、アレルギー性結膜炎、細菌性結膜炎、ウイルス性結膜炎があります。今回は、この3つについて説明します。
① アレルギー性結膜炎
花粉やダニ、ハウスダストなどに対するアレルギー反応によって起こります。代表的なのは、スギ花粉などによる花粉症です。
主な症状は目のかゆみで、充血や目やにを伴うこともあります。治療には、アレルギーを抑える点眼薬などを使用します。
アレルギーが原因なので、他の人にうつることはありません。
② 細菌性結膜炎
細菌が結膜に感染することで起こります。
日常生活の中で、手に細菌が付くことを完全に避けるのは難しいものです。その手で目をこすることなどが、感染のきっかけになります。
膿のような目やにが出ることが多く、免疫機能が十分に発達していない小さなお子さんや、免疫力が低下しているご高齢の方などにみられます。治療には、抗菌作用のある点眼薬を使用します。
「細菌」と聞くと、人にうつりそうな印象があるかもしれません。一般的には、後で説明する「はやり目」ほど感染力は強くありませんが、人にうつる可能性はあるため、手洗いやタオルの共用を避けることは大切です。
③ ウイルス性結膜炎
ウイルスの感染によって起こる結膜炎です。このうち、人にうつりやすいものは「はやり目」と呼ばれます。
強い充血や目やに、涙が増えるといった症状がみられ、まぶたの裏側の粘膜に小さなぶつぶつができることもあります。また、原因となるウイルスや病気の種類によっては、発熱やのどの痛み、だるさなどを伴います。
注意したいのは、感染してから症状が出るまでに「潜伏期間」があることです。感染しても、すぐに症状が現れるとは限りません。
周囲にうつさないために気を付けたいこと
「はやり目」は感染力が強く、目やにや涙に含まれるウイルスが、手やタオルなどを介して他の人にうつることがあります。
感染を広げないために、次のことを心掛けてください。
- タオルやハンカチは、家族とも共用しない
- 目やにはティッシュなどで拭き取り、使ったものはすぐに捨てる
- 目を触った後はもちろん、普段からこまめに石けんと流水で手を洗う
- できるだけ目を触ったり、こすったりしない
眼科で人にうつりやすい結膜炎と診断されたら、まず学校や職場に連絡してください。登校や出勤を控える必要があるか、いつ再開できるかについては、医師の指示を確認し、学校や職場と相談しましょう。
「結膜炎で休まなければいけないのか……」と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、ご自身の回復だけでなく、周囲への感染を防ぐためにも大切な対応です。
夏だけの病気とは限りません
私が学生だった頃、教科書には、ウイルス性結膜炎は「主に夏に流行する」と書かれていました。
ただ、日々の診療では、季節を問わず患者さんがいらっしゃると感じています。
また、最近はタッチパネルやタブレットなど、複数の人が触れる機器も身近になりました。こうした機器の共用が流行にどの程度関係しているかは分かりませんが、手を介した感染に気を付ける場面の一つだと、私は考えています。
気になる症状があれば、眼科へ
ここまで代表的な結膜炎について説明しましたが、症状だけで原因を見分けるのは難しいこともあります。
充血や目やに、かゆみなどが気になるときは、「市販の目薬で様子を見ればいいや」と自己判断せず、眼科を受診することをおすすめします。
ご自身の目の健康を守るために。そして、身近な方に感染を広げないためにも、原因に合った治療と対応を心掛けましょう。