知っているようで知らない目の病気

飛蚊症って年のせいだからしょうがないですよね?

眼科の病気について、院長が患者さまからよくいただくご質問を交えながら、分かりやすくお伝えします。
こんにちは。星空眼科医院 院長の飯田です。
今回は、「飛蚊症(ひぶんしょう)」についてお話しします。

「飛蚊症」とは病気の名前なのでしょうか?

答えは、いいえ
飛蚊症は症状の名前であって、病名ではありません。
診察室では、患者さんから
 「私、〇年前に別の眼科で『飛蚊症』って言われたことがありまして……」
と、飛蚊症という病気にかかったことがあるようにお話しいただくことがあります。
しかし、飛蚊症は、頭痛・吐き気・腰痛などと同じ「症状」の名前です。
視界に黒い点や糸くず、虫のようなものが浮かんで見える症状を、飛蚊症といいます。
では、飛蚊症は放っておいてもよいのでしょうか?
これについては、「原因によります」としか言えません。
飛蚊症には、加齢などによって起こる心配の少ないものもあれば、早めの検査や治療が必要な病気によって起こるものもあります。

飛蚊症の症状と原因

心配の少ない飛蚊症の主な原因

硝子体混濁(硝子体の濁り)

眼球の中の大部分は、「硝子体」という透明なゼリー状の組織で満たされています。
この硝子体の一部に濁りが生じると、その影が網膜に映り、黒い点や糸くずのようなものが見えることがあります。
硝子体が濁る原因はさまざまですが、加齢などによる生理的な濁りであれば、通常は治療の必要はありません

後部硝子体剥離

「剥離」と付いていると、「もしかして網膜剥離の仲間?」と思われるかもしれませんが、同じものではありません。
加齢などによって硝子体が縮み、網膜から離れることを「後部硝子体剥離」といいます。
硝子体が網膜から離れる際に生じる影が、飛蚊症として見えることがあります。
後部硝子体剥離そのものは、多くの場合、治療を必要としません
ただし、硝子体が網膜から離れる際に網膜を強く引っ張り、網膜裂孔や網膜剥離を引き起こすことがあります。
そのため、飛蚊症が急に現れたり増えたりした場合には、眼底検査を受けることが大切です。

近視によるもの

近視、特に強い近視がある方は、硝子体の変化が早く起こりやすく、飛蚊症を自覚することがあります。

放っておいてはいけない飛蚊症の主な原因

網膜剥離

「網膜剥離」という病名は、なんとなく聞いたことがある方も多いと思います。
「網膜」とは、眼の奥にある光を感じ取る組織です。
加齢などによって硝子体が網膜から離れる際、網膜を強く引っ張ることがあります。
それによって網膜に裂け目ができることを「網膜裂孔」その裂け目から網膜の下へ液体が入り込み、網膜が剥がれてしまうことを「網膜剥離」といいます。
この過程で生じた硝子体の濁りや眼の中の出血などの影が、飛蚊症として見えることがあります。
剥がれた網膜そのものが見えているわけではありません。
網膜裂孔や網膜剥離の前兆・症状として、次のような見え方が現れることがあります。
  • 飛蚊症が急に増える
  • 視界にピカピカと光が見える
また、網膜剥離が進行すると、次のような症状が現れることがあります。
  • 視野の一部がカーテンで覆われたように見える
  • 視力が低下する
網膜剥離は、放置すると失明につながる可能性がある病気です。
また、網膜裂孔は網膜剥離へ進行する可能性がありますので、早急な検査・治療が必要です。

網膜出血・硝子体出血

何らかの原因で眼の中に出血が起こり、その影が飛蚊症として見えることがあります。
黒い点が急に増えたり、墨を流したような影が見えたり、視界がかすんだりすることもあります。
原因となっている病気によって治療方法や緊急性は異なりますが、放置すると視力の低下につながる可能性があるため、早めの受診が必要です。

治療が必要かどうか、自分でわかる?

ここまでお読みになった方は、

 「心配の少ない飛蚊症なのか、治療が必要な飛蚊症なのか、自分で分かるの?」

という疑問が湧くと思います。

答えは、

 「これだけは、眼科で検査をしないと分かりません」

です。

飛蚊症が気になる方は、一度眼科を受診されることをおすすめします。
飛蚊症には、治療が必要な病気が隠れていることもあります。
検査後も医師の指示に応じて受診し、ご自分の眼の状態を確認しておきましょう。

受診するときの注意点

飛蚊症の診察では、「散瞳剤」という瞳を広げる目薬を使用して、眼底検査を行うことがあります。
散瞳剤を使用すると、検査後約5~6時間、まぶしく感じたり、近くがぼやけて見えたりすることがあります。
そのため、検査後は車・バイク・自転車の運転を控えていただく必要があります
また、細かな作業がしづらくなることもありますので、それを前提に受診の準備をお願いいたします。
散瞳剤の効果が現れるまでには、約30分かかります。
できるだけ診療時間終了間際を避け、時間に余裕を持って受診してください。
「視界に黒いものが見えるけれど、年のせいだろうから放っておいてもいいや」
と思わず、一度は眼科で検査を受けることをおすすめします。
星空眼科医院では、眼の奥を撮影する眼底カメラや、網膜の断面を詳しく撮影するOCTを備えています。
撮影した画像は診察室のモニターで一緒に確認しながら、眼の状態をご説明しています。
飛蚊症が気になる方は、お気軽にご相談ください。
星空眼科医院 院長

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